茶の良さは水色が決め手

050506_12.jpg お茶の「水色」をいかに美しく仕上げるか…。お茶を製造する上で私たちが大切にしていることの一つです。「えっ、お茶がみずいろってどういう意味?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。実は、ここで言う「水色」は、「すいしょく」と読み、お茶を茶碗に注いだときの色のことを言うのです。
 「水色」は、・茶葉の見た目 ・茶葉の色 ・茶碗に注いだ時の色(=水色) ・香り ・味という、お茶の良し悪しを決める5つのポイントの一つ。お茶は、単にのどの乾きを潤すためのものではなく、ほっとくつろぐとき、お客様をもてなすときなどにいただく、人の気持ちのあり方に関係してくる特別な存在の飲み物です。だから、私たちの作ったお茶を飲んでくださる方の心が癒されて、思わず「美味しそう!」とか、「きれい!」と喜んでいただけるような…、そんな水色に仕上げたいと思っています。
 
ブレンドは茶商の腕の見せ所
 
050506_13.jpg お茶の水色を大きく左右するのが、茶葉の品種。日本で生産されているお茶の約8割が、味に深い旨味とコクのある「やぶきた」という品種ですが、味が良い反面、水色がやや暗いという特徴があるのも事実です。そこで、美味しくて、しかも爽やかな水色を持つお茶を作りたいと思ったら…。ここからが、私たち茶商の腕の見せ所。やぶきたの良さを十分生かしながら、微妙なさじ加減で色の良い品種である「朝露」「さえみどり」「ゆたかみどり」などをブレンドし、理想の水色にすべく調整して仕上げていきます。ブレンドの割合は、それぞれの茶葉の状態を見ながら決めていくので、茶商の勘がすべて、と言っても過言ではありません。長年研究を重ねてきた技術ではありますが、ブレンドの割合を決めるときは、毎回とても緊張するものなんですよ。

今年の新茶の水色はいかに?

050506_11.jpg 今年の新茶について。5月から販売を始めた「新茶」は、やぶきたを中心にしたブレンド茶です。水色は、目にも涼しい透明感のある黄金色。手前みそで恐縮ですが、一番茶のフレッシュな緑に澄み切った空をかけ合わせたような、透明感溢れる美しい水色になりました。もちろん、水色のすばらさしさだけではなく、味や香りも御満足いただける自信作です。飲んでいただく際には、白い茶碗などに注いで爽やかな水色を愛でていただき、風薫る茶畑から届いた初夏の便りをゆったりと愉しんでいただけたら幸いです。
 6月に入り、そろそろ梅雨の季節。お届けできる新茶も残り僅かとなりました。まだ新茶を楽しんでいない…、という方はお早めにどうぞ。

池田製茶
日本茶アドバイザー 池田裕司